歴史的にも特別であった愛宕山。
開発によって風景は変化し、取り残され未利用であったこの地を再生するプロジェクト(2026年竣工予定)

物件概要
| 所在地 | 福岡市西区愛宕3丁目 |
| 用途 | 共同住宅 |
| 種別 | 新築 |
| 構造 | 鉄筋コンクリート造 |
| 規模 | 地上14階 |
| 敷地面積 | 約9820㎡ |
| 延床面積 | 約14,368㎡ |
敷地は南側の海抜5mから北側の海抜30mまで約25mの
高低差があり、その高低差を建物でどう処理するかが当然の課題であった。ファミリー向けの共同住宅という性格から、駐車台数も戸数の100%を求められるため、相応に平地も確保する必要がある。計画地と隣接する斜面との関係も無視できない。北と南の高低差を繋ぐ長大なスロープを設ける事は、非現実的であった。そこで、車両のアクセスは南北に分け、人の行きに限り東棟にその機能を持たせる計画とした。

メインアプローチから見える東棟は地上3階相当だが見えているのは7~9階部分である。
木々に囲まれた“邸宅”の装いのアプローチを抜け、木調の自動ドアが開き、風除室に入ると突然海抜30mの“眺望”が飛び込んでくる。その瞬間、来訪者はその場所が実は地上7階であることに気づく。

風除室に入ると大きな1枚ガラスの先にシンボルツリーと抜ける風景が飛び込んでくる。
シンボルツリーの右手には自然になじむ本実杉板型枠の打放コンクリートが屋内から屋外に突き抜け、迫力とモダンな雰囲気ブラス。
植栽に囲まれたアプローチを通って来た入居者を少しづつにラグジュアリーでホテルライクな空間に導入する。

奥行きのある広いエントランスには、贅沢な広さを感じさせつつ、素材や天高の違いで緩やかにゾーニング。

右手には目地やルーバー等でデザインされた連続する木目調の壁とランダムに配置された家具がリズミカルに奥に誘導し、左手には石張りの2本の柱に支えられるように受付カウンターを配置。ホテルのコンシェルジュカウンターの様な雰囲気に。

エントランス内部にも高低差を生かした仕掛けがあり、6階のラウンジは7階のエントランスと吹き抜けで繋がっている。
こういった中間階の吹き抜けは防火避難上不利な条件になるため、一般的に採用が難しいが、本件は高低差を生かし複数の接地階を設け、それぞれに避難経路を確保し、行政との協議を重ね実現したものである。

“緑と共生する邸宅”として、年数を経ても飽きのないヴィンテージマンションと言われるデザインを外観のメインコンセプトに据え、ガラス手摺等の現代的なマテリアルも加えながら“アンティークモダン”を具現化してゆく。
